【なをとの内地巡遊記/熊本県編】怒り狂った大地が呼吸する観光地『阿蘇山』とは?カルデラ火山噴火の破壊力を深掘りしたら色々と諦めた。

どうも、地味な県ほど魂が燃えるタイプの観光客です。今回は熊本県を訪れました。そう、あの阿蘇山がいる県です。

「熊本って何あるの?」とか言うヤツ、今すぐ目覚ませ。お前の胃袋、すでに熊本に飼われてるぞ。まず、馬刺し。そして辛子蓮根。あといきなり団子とラーメンとスイカとミルクと焼酎と…もうね、県民全員が「フードファイターか」ってぐらい食文化が強い。

そんな熊本の中でも、俺が完全に心を持っていかれた場所。それが

『阿蘇山(あそさん)』

「あ〜そっすか?」みたいな名前がふざけてる。でも、やってることは地球破壊兵器。火を噴く。煙を吐く。地形を変える。神々しいかと思えば、急に暴れる。ツンデレどころか、ドツキ回してくる系の自然。それが『阿蘇山』

で、勘違いしてる人多いけど『阿蘇山』ってひとつの山の名前じゃないからな?あれ、火口と外輪山が合体した『巨大カルデラ複合体』です。簡単に言うと、昔めちゃくちゃ爆発して、山ぶっ壊れて、凹んで、そこに人が住み始めたっていう、もう設定がジブリ超えてる自然のラスボス。

俺は2年前に初めて阿蘇に行って、恋に落ちた。去年の11月には杵島岳で日の出を見て、尊さのあまり魂がバグった。寒いとか眠いとか全部どうでもよくなった。だって目の前で、大地が呼吸してるのを見たんだから。

というわけで今回お送りするのは、阿蘇山ファンが語る、阿蘇山の魅力と破壊力のすべて。観光地としても、火山としても、スケールがデカすぎるこの場所。ちゃんと向き合うと「もうちょっと人間って小さくなったほうがいいな」って思えるから。


【阿蘇山とは?】

まず最初に、みんなに伝えたい。阿蘇山は、でかい。火山というより『大陸の内側で怒ってる何か』

普通『山』と聞けば、ひとつのピークを思い浮かべるでしょ?阿蘇山は違う。山が何個かセットで一体化してる火山軍団。そしてそれを包み込む、超巨大なクレーター。そう、阿蘇山とは…

①世界有数の巨大カルデラ火山

阿蘇山の正体は、約27万年前から繰り返された大噴火によって形成された『カルデラ火山』だ。カルデラってのは、でっかい噴火で山が吹き飛んだあと「おい地形どうした?」ってレベルで凹んだ地形のこと。

火山「ちょっと本気出したら地面沈んじゃった☆」

阿蘇のカルデラは直径約25km×18kmで、東京都心がすっぽり入るサイズ。下手すると千葉も巻き込める。火山の中に街があるレベル。地元の人、毎日『火口の中で生活』してるようなもんです。

ちなみにカルデラの形成には『阿蘇①〜④』と呼ばれる4回の超大規模噴火が関係していて、特に最後の『阿蘇4(約9万年前)』の威力はとんでもない。

  • 推定噴出量:600km³超
  • 火山灰:日本列島中に降り注いだ
  • 一部は朝鮮半島やロシアの方まで到達

つまり阿蘇山は『日本列島レベルで人類の記憶に刻まれる火山の大先輩』なのだ。でかい。やばい。怖い。でも、カッコいい。

②阿蘇五岳の特徴と見どころ

阿蘇山=山の集合体。中でも有名なのが『阿蘇五岳(あそごがく)」と呼ばれる5つの山々。

名称読み方特徴
高岳たかだけ阿蘇山の最高峰(1592m)本気の登山勢が集う聖地
中岳なかだけ現在も活動中の現役火口。火の神の住処
烏帽子岳えぼしだけなだらかで美しいシルエット。初心者向け登山
杵島岳きしまだけ比較的登りやすく、山頂からの火口ビューが最高
根子岳ねこだけギザギザの岩肌が特徴。最も登山難易度高め

特に中岳は今もなお、モクモクしてる現役火山。火口見学できる日もあるけど、風向きとか活動状況によっては立ち入り禁止になる日も多い。行く前に必ず、火山状況をチェックするクセをつけてくれ。そうじゃないと、現地まで行って『入れません』って看板に膝から崩れる羽目になるぞ。

③阿蘇山はいつでも噴火してるって本当?

本当です。阿蘇山は常に活動してる火山です。常時観測火山(活発な活動を続けてる火山)として、気象庁に24時間マークされてます。

出来事
2014年中岳第一火口で噴火。観光規制あり
2016年大規模噴火。火砕流・降灰が周囲に拡大
2021年大きめの噴煙が上がり、一部で避難指示
※現在警戒レベル1〜2を行ったり来たり中

つまり阿蘇山は『常にスリルと隣り合わせ』の観光地。言い換えれば『生きてる地球の心臓を覗きに行く』場所。俺は毎回思う「今日も働いてるな阿蘇山…偉いな…」って。


【阿蘇山の歴史】

「阿蘇って、火山だけじゃないんですか?」とか聞いてくる奴がいたら、とりあえず阿蘇山の火口に連れてって「これが始まりであり終わりだ」と囁きたい。

①火山が作った阿蘇の大地

まずは冷静に地形の話から行こう。なぜなら阿蘇という土地そのものが、火山の暴力によって出来上がってるから。約27万年前、最初の阿蘇噴火が発生。以降、何度も何度も大噴火を繰り返してきた。

「火山って一回爆発したら終わりじゃないんですか?」

いや阿蘇は違う。4回もやらかしてる。しかも全部桁外れ。

特に有名なのが『阿蘇4』と呼ばれる、約9万年前の大噴火。このとき出た火砕流の量は600立方キロメートル超…「600立方キロって何だよ」って話だが、東京都を高さ1kmの火山灰で埋めるくらいだと思ってくれ…気軽に言うレベルじゃねぇ。

火山「ちょっと本気出してみよう」
地球「おい!やめろっ!!」
火山「どーん(阿蘇4)」
人類「まだ猿です」

その大爆発で山が崩れて生まれたのが『世界有数の巨大カルデラ地形』で、その凹みに後から水がたまって…じゃなくて『人が住み始める』んだなこれが。

「火山の中に住むとか正気ですか?」

正気だよ。だって土地は豊かだし、水は湧くし、牛馬放てるし、温泉出るし。つまり『火山=めちゃくちゃ暴れるけどツンデレ彼女』みたいな存在。地元民はみんなそれと共生してるプロ火山使いです。

②古代より続く信仰と神話

阿蘇山には、とんでもない神話がある。

主役は阿蘇を開いた神、その名も『建磐龍命(たていわたつのみこと)』名前からして強い。もうラスボス感ある。しかもモデルは『神武天皇の孫』って設定。由緒正しい血筋である。

火山で生活するぞ!
→じゃあ水どうする?
→川がない?
→よーし!ぶち抜け!

そう、伝説によれば建磐龍命は『火口の縁をぶち抜いて白川を通して水を里に流した』らしい。

弟子「え?山ぶち抜くんですか?」
建磐龍命「やれ(即答)」
弟子「お…おぉ…(やった)」
神様「よし合格」

この話からわかるのは、阿蘇の神様たちは人間の生活にガチで寄り添ってたって事。単なる崇拝対象じゃなく『人間の味方として大地を拓いた存在』として地元ではリスペクトされてきた。

そしてこの神様を祀っているのが、熊本最古ともいわれる由緒正しい神社『阿蘇神社』

地元では『阿蘇の守り神』や『火山と共に生きる誓いの場』として知られており、祭りも神事も、全部が『火山との共存』がテーマになってる。

火山っていうと「怖い!危険!」ばかりが先に立つけど、阿蘇では『生きるために火山に祈る』『感謝する』っていうスタンスが当たり前。

火山「いつ噴いてもおかしくないぞ?」
人間「でも今日も美味い米ありがとう」
火山「…ありがとよ」

そんな『自然と人間のギリギリの共存関係』が、阿蘇には1000年以上も続いている。この歴史、ちょっとやそっとの観光地じゃ太刀打ちできねぇ。正直、阿蘇山ってだけで日本史のラスボス感ある。


【阿蘇山の破壊力】

『観光って…癒されるんじゃなかったっけ?』そう思って阿蘇山に行ったら、地球の怒りを全身で浴びた。

阿蘇山は日本の中でもトップクラスのガチ火山。可愛い顔してススキ野原とか広がってるけど、その奥でずっと**「ボンッ」って準備してるからな。火山灰どころか、噴煙・火砕流・地形改変レベルの火力をお持ちです。

じゃあ、その破壊力がどれくらいか、いっちょ現実叩きつけてみようか。

①[被害範囲]火口周辺から都市部までの影響

阿蘇山の中でも中岳第一火口は現在も活動している現役火口。警戒レベルが上がれば、立ち入り禁止→噴石飛来→火砕流発生の可能性アリというガチ仕様。

火山「そろそろ行くか」
気象庁「レベル2に引き上げます」
観光客「あ…(察し)」

例えば、過去の噴火では

  • 2016年10月の噴火は火口から1.6km先まで噴石が飛ぶ
  • 火山灰は熊本市内(約40km圏)にも到達
  • 東~北九州の交通・農作物・空港にまで広く影響

そして最悪のシナリオ。カルデラ噴火クラスの大爆発が来たら

  • 九州全土に降灰
  • 福岡・広島・関西にも影響
  • 国内航空網ストップ
  • 太陽光遮断で気温低下、農作物全滅の可能性

「あれ?これもう日本終わってね?」

②[経済の影響]農業、観光、交通への打撃

熊本といえば、農業王国。阿蘇山周辺だけで、畜産・米・野菜・乳製品・温泉宿泊業がフル稼働している。そこに火山灰が降るとどうなるか?

…全部ダメになります!灰は葉に詰まり、牛はストレスで食欲不振、観光客は来ない、道路は滑る。

空港?飛行機飛びません。
収穫?全部延期。
店?客が来ない。

経済にとって、火山は『最強のフリー素材型妨害キャラ』なのだ。

被害内容
2014年農業・観光損失約9億円(灰による作物被害、宿泊キャンセル多数)
2016年交通マヒ阿蘇くまもと空港、数日間欠航/JR運休多数

③[被害総額]過去の被害額と今後のシミュレーション例

では、過去と未来のダメージ量を数字で見てみよう(ここが一番メンタルやられる)。

【過去の主な被害総額】

影響範囲被害総額(推定)
2016年(噴火)観光・農業約40億円以上(農林被害17億円/観光18億円超)
2021年(小規模噴火)一部施設閉鎖数千万円規模

【今後:カルデラ噴火が起きた場合】

  • 気象庁や防災科学の想定では、最悪数兆円規模の損失
  • 九州の主要インフラ・都市機能が麻痺
  • 物流停滞、物価上昇、観光全滅、避難者数十万人

この数字、もはやドラゴンボールの戦闘力じゃん。阿蘇山がその気になったら、日本がしばらく息できなくなるって事ですね?うん、諦めた。牛乳飲んで寝る。

でもね、それでも俺は言いたい。それでも阿蘇山は、行く価値がある。だって、これだけの力を持ちながら、普段は穏やかに煙を吐いて、草原の中にそっと立ってる。このギャップよ。阿蘇山、完全に人類のタイプじゃん?


[阿蘇山vs富士山]どっちが強ぇの?

「あいつら、どっちが強いんかね?」これは日本人なら一度は考える禁断の火山バトル。

片や『日本の顔』こと富士山。
片や『地形ぶっ壊し魔神』こと阿蘇山。

果たして、どっちがやばいのか?

①噴火規模の比較(VEI:火山爆発指数)

まずは火山界の戦闘力VEI(火山爆発指数)で比較してみよう。

火山名過去最大の噴火年VEI(最大値)噴出量備考
阿蘇山9万年前(阿蘇4)VEI7約600km³地球規模の破局噴火
富士山1707年(宝永噴火)VEI5約1.7km³江戸まで火山灰が飛散

VEIのスケールは1上がるごとに10倍の規模差がある。つまり富士山が『かめはめ波』なら、阿蘇山は『元気玉で地球破壊』レベル。

そう、阿蘇山は『世界に名を轟かせた数少ない破局噴火持ち』です。

②被害範囲の違い(人口密度と都市への影響)

でも、破壊力ってのは『威力』だけじゃなく『どこに落ちるか』も大事。ここで注目すべきは、人口密度と都市への影響力

❶富士山が噴火したら?

  • 東京・神奈川・静岡・山梨…首都圏が直撃コース
  • 火山灰で新幹線停止、道路通行止め、空港全面ストップ
  • 経済損失は数十兆円規模との試算も

都心が火山灰で埋まるって、どんな世紀末?通勤どころじゃない。呼吸もできない。

❷阿蘇山が噴火したら?

  • 九州全域に火山灰
  • 福岡・熊本・宮崎・鹿児島すべてアウト
  • 航空機・物流・農業に深刻ダメージ
  • 規模によってはアジア方面にも影響

こっちはこっちで日本の西半分が沈むんですけど?つまり

  • 富士山:人が多い所でぶっ放したら一発KO型
  • 阿蘇山:威力がバグってるから半径100kmが焼野原型

どっちもやばい。

③もし今噴火したらどっちがやばい?

【現在の状況(2025年時点)】

火山活動状況警戒レベル最近の動き
阿蘇山活動中(中岳)1〜22021年に噴火、断続的に小規模活動あり
富士山一見静か0しかし地下で地震・変動の兆候あり(要警戒)

つまり、どっちも目を離すなって事ですね?地球さん本気出すタイミング選ばないじゃん…。

で、仮に今噴火した場合、被害人数は富士山の方がヤバい。でも、地形レベルでバグるのは阿蘇山。

富士山は『国が止まる』
阿蘇山は『島が変わる』

そんな規模感。

④世界的に見ても異常なカルデラ火山の阿蘇山

実は阿蘇山『世界有数の破局噴火カルデラ火山』として国際的にも研究対象。

比較対象になるのは

  • イエローストーン(アメリカ)
  • トバ火山(インドネシア)
  • タウポ(ニュージーランド)

そして日本代表、阿蘇山。

『世界のやべー火山四天王』として各国の学者が震えてる。

しかも、阿蘇4の噴火で日本列島の気候が一変した可能性まである。つまり、もう地形を作っただけじゃなく歴史も変えた火山。それが普通に熊本県にあって、牛と一緒にススキ野原で穏やかに寝てるんだから、ギャップがすごい。惚れる。

【結果】阿蘇山も富士山も、どっちもやばい。

阿蘇山は世界スケールでやばい。


【阿蘇山は過去に噴火した事はある?】

当然だ。阿蘇山が噴火しなかった時代など存在しない。

阿蘇山とは、地球が「このへんちょっと膨らませとくか」と気まぐれで作った山じゃない。数十万年というスパンでブチギレ続けてきた爆裂型の感情持ち火山である。

もし人生の最後に「どこで死にたい?」と聞かれたら、俺はこう答える。「阿蘇の火口で、地球と一緒に叫びながら消し飛びたい」と。

①有史以降の大噴火

古代からずっと活動してきた阿蘇山。ただし記録に残っている『有史以降』の大噴火として特筆すべきは、以下の通り。

出来事特徴
553年頃(飛鳥時代)噴火記録あり最古級の噴火記録(日本書紀に登場)
1332年(南北朝時代)火砕流発生か阿蘇谷の広範囲に被害の可能性
1674年爆発的噴火噴煙・降灰が周辺に
1835年(天保6年)中岳の噴火噴石と降灰、地元に被害大

火山が本気出すと、歴史も燃える。阿蘇山はその代表だ。記録されてるだけでも怖いのに、記録されてない時代はもっとやばかった可能性がある。「火山が怒ったら、神も仏もなすすべなし」昔の人がそう言って、山の神に頭を下げたのも納得である。

②近年の噴火と影響

歴史だけじゃない。阿蘇山は令和になってもブチギレれている。ここ10年での主な噴火を並べると、観光気分が一瞬で消し飛ぶクラスの連発っぷりだ。

内容影響
2014年11月中岳第一火口が噴火噴煙が高さ1,000m超/立入規制開始
2016年10月8日マグマ水蒸気噴火噴煙11,000m/阿蘇市に降灰/JR全線運休/空港欠航
2021年10月20日爆発的噴火噴煙3,500m/火口周辺警戒区域拡大/観光中止相次ぐ

2021年の噴火は「思ったより普通にやばかった」として全国ニュースになった。火口から出た噴石が半径1km圏に飛び、火山灰が熊本市まで届いた。ついでに俺の心にも降灰した。

「これで小規模ってどういう感覚してんの地球さん…」もう少し落ち着いてほしい。せめて天気予報くらいの頻度で頼む。

③現在の噴火警戒レベルと状況

では今(2025年時点)、阿蘇山はどうなっているのか?

[結論]息してます。てか、普通に呼吸してる。たまにしゃっくりもする。

気象庁による『阿蘇山(中岳)火山活動の警戒レベル』は、以下の通り変動している

レベル状態行動目安
1(平常)活動が低い火口近くの立入はOK(要確認)
2(火口周辺規制)小規模噴火の可能性火口周辺への立入禁止
3(入山規制)噴火が発生火口から約2km圏内は退避
4〜5(避難準備・避難)大規模噴火が迫る居住地からの避難を検討・実行

2025年現在は、概ねレベル1〜2をうろうろしてる状況。日によっては「火口見学できるぞ!」と喜ばせておいて、当日に「風向き悪いんで立入禁止です」ってなる、ある種のツンデレ火山。

「阿蘇山が呼んでる!」と思っても、まずは気象庁と相談してからにしてくれ。でないと、呼ばれたのが火口の中って事になりかねん。だが俺は言う。

「それでも、俺は阿蘇に行く」
「あの大地の脈動を、呼吸を、怒りを、目で見て感じたい」
「もしその途中で死んだら、それはそれで本望」

そんな覚悟を持てるくらい、阿蘇山は尊い。火山っていうより、生き物に近い。そして俺は、その火山が生きてる事を、今日も嬉しく思う。


【その他の観光スポット紹介】

阿蘇山周辺って、火山のくせにやたら観光地力が高い。火を噴いたり灰を撒いたりしてるくせに、なんで馬がのんびり歩いてたり、草原が広がってたり、温泉が湧いてたりするんですか?地球の設定、バグってるぞ。

そんなカオスと癒しのハイブリッド空間、阿蘇周辺で俺が訪れたスポットたちをご紹介しよう。

①草千里ヶ浜(くさせんりがはま)

ここはもう、ジブリ。完全にジブリ。地面の緑はカーペット、空はデフォルトで青い、そこに馬が歩いてる。

馬「いやー今日も草ウメェ」
俺「観光地ってこんな平和で良いの?」
火山「たまに噴くけどな」

写真? ないです。撮り忘れたとかじゃなくて、あの景色は記録するより記憶する系のやつ(空撮のならある)。

②中岳(なかだけ)

中岳は現在進行形で活動してる火口。見た目は美しいのに、近づくと地球の吐息(という名のガス)を全力で浴びる場所です。

地球「くっさ」
俺「こっちのセリフだよ」

あの匂い、表現するなら『ゆでた卵を火山で煮詰めて失敗した』みたいな感じ。でもその匂いが「ああ…地球って今も生きてるんだな」って思わせてくる。もはや哲学。

行く時は必ず火口の立入規制情報をチェックしてくれ。俺は一回、ロープ張られてて引き返した。泣きながら。

③杵島岳(きしまだけ)

2024年11月下旬、俺はこの山で人生最もエモい日の出を迎えた。

登山道はなだらかで、距離も短め。しかも登ってすぐ火口が見える。コスパ最強の火山。

太陽「おはよ」
地面「おはよ」
俺「尊すぎて死ぬ。これ以上地球に何を望めば良いのか」

ただし、11月の早朝は寒い。風が刺さる。俺は鼻水垂らしながらカメラ構えてた。それでも登る価値がある。登山初心者にはお勧め。

④高岳(たかだけ)

阿蘇五岳の中で最高峰(1592m)。しかも景色は壮大。火口の中を見下ろせる。達成感もエグい。

でもね…去年登った後、写真データ全部消えたんですよ。地獄か?地獄だな。

火山の神様「データなんかより、心に残せ」
俺「せめて一枚!一枚だけでも!!」

という訳で、この記事にも高岳の写真はありません。でも、記憶には刻んだ。登って良かった。めちゃくちゃしんどかったけど。

④烏帽子岳(えぼしだけ)

阿蘇五岳のラストボス(まだ登ってないけど)。名前の響きがまずカッコ良い。えぼしとかたけとか、戦国武将感あるじゃん。

次はここに登る予定です。多分また鼻水垂らす。多分また感動する。多分また、写真データ消える(フラグ立てとく)

それでも俺は登る。阿蘇の山には、それだけの価値があるから。


【阿蘇山のアクセス情報】

①営業時間[阿蘇火山博物館/草千里/火口見学など]

施設名営業時間備考
阿蘇火山博物館9:00〜17:00年中無休(年末年始は要確認)
草千里ヶ浜常時開放夜間照明なし・立入自由
阿蘇山ロープウェー跡地(火口見学エリア)8:30〜17:00頃火山活動により変動あり(気象庁要確認)

②入場料/駐車場代

名称金額
阿蘇火山博物館 入館料(大人)900円
阿蘇山西駅 駐車場(草千里周辺)500円(普通車一回)
火口付近有料道路通行料800円(普通車) ※規制時は通行不可。

③アクセス方法

手段所要時間(目安)料金(片道)
①電車(熊本駅→阿蘇駅)約1時間30分(JR豊肥本線)約1,170円
②バス(阿蘇駅→阿蘇山上)約35分(産交バス)約660円
③タクシー(阿蘇駅→阿蘇山上)約25分約4,500円〜5,000円
④車(熊本IC→阿蘇山上)約1時間10分高速代+ガソリン 約2,000〜3,000円

【実際に行ってみたら】

①全部の観光スポットが魅力的だけど広すぎるから全部回る事ができない(無念)

行く前はこう思ってた。「全部まわれるっしょ?車あるし、体力あるし、俺には愛があるし」って。

でも阿蘇は、観光地が一ヶ所にまとまってない。
草千里、中岳、杵島岳、阿蘇神社、温泉、展望台、牧場、カフェ…

「全部行きたい!見たい!撮りたい!」

結果→半分しか行けてねぇ。

行けなかったスポット、Googleマップに『行ったつもりリスト』作って供養してる。

②草千里ヶ浜の駐車場はお昼に渋滞。行くなら朝早くから。

これは本気で注意喚起する。草千里のお昼過ぎ、完全に地獄。観光バス、ファミリーカー、カップルのレンタカー、全部集合。

「駐車場…あと5台分…!あっ前の奴入った」からの無限Uターン。

朝イチで行けば馬と空しかいないから、平和。
昼過ぎに行くと人と車しかいないから、修羅。

③火山火口をヘリコプターに乗って観覧する事もできる(乗ってない)

阿蘇、ヘリ飛んでるんですよ。しかも火口の上を優雅に回る観覧飛行コースとかあるんですよ。

俺「え!地球の呼吸を空から感じられるんですか!?」
財布「無理だね」

結果→地上で見上げながら「いつか…」と呟いた。

次は絶対乗る。火口を上から見て「ここから世界が壊れたんだな…」って厨二病で言いたい。

④11月は秋で草原が茶色一色で焼け野原みたいになってる

阿蘇の11月、草が全部茶色い。

「これ…放送されてないジブリ映画の世界観じゃん…」
「草原っていうか荒野」
「いやこれはこれで渋すぎる。背景に中岳の噴煙足したら絵になるぞ」

毎年この時期に行ってるんだけど、いつか真緑の夏の草千里ヶ浜も見てみたい。

「夏の阿蘇、緑の大地、青い空、馬、風、自由…」

でもまた秋に行く。なぜなら阿蘇は、秋が似合うから。


【最後に】

阿蘇山、それはもう火山じゃない。人格。価値観。思想。教育。

富士山が『日本の象徴』なら、阿蘇山は『地球からのメッセージ』なんだよ。

この山を見ずして育った奴、人生の教科書の1ページ、丸々白紙のままだからな!

火山の仕組みを知る。
自然の偉大さに震える。
火口を前に無力を思い知る。
草原で馬と風に癒される。
観光地で時間に追われて泣く。
写真が消えて絶望する。
それでもまた行きたくなる。

これが全部セットで、阿蘇山ってやつ。

だから言う。阿蘇山、行け。義務教育だ。全員受けろ。

社会科で習った火山を、魂で復習しに行け。

俺はまた行く。
草千里で馬と並んで立ち尽くし、
杵島岳で朝日に泣いて、
高岳で写真をまた消して、
烏帽子岳でリベンジを果たす。

阿蘇山は、待ってる。
怒りを、やさしさを、景色を、火の息吹を
全部そのまま抱えて、今日も黙って立ってる。

「地球ってすごいな」って思える場所、阿蘇以外にそうそうないんだよ。

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