海外旅行二ヶ国目はインドネシア。
「夢のコモドドラゴンに会いに行く」なんて言えば聞こえは良いけど、実際は那覇空港から地獄のサバイバル乗り継ぎツアーに強制参加させられた哀れな人間の記録である。
そもそも沖縄からコモド島に直行便なんて洒落た物は存在しない。もしあったら俺が真っ先に乗って「文明万歳!」って叫んでる。だが現実は、羽田空港を経由して、さらにジャカルタで16時間の精神修行を強いられ、ようやくコモド空港にたどり着くっていう苦行のフルコース。
正直、ドラゴンより先に自分の理性が滅びるかと思った。でもまぁ、そこまでしてでも会いたいのがコモドドラゴンっていう生き物なんだよ。
人間って馬鹿だなって思うけど、馬鹿だから旅に出る。馬鹿だから飛行機に乗る。馬鹿だからブログを書く。つまりこのブログは馬鹿の結晶です。
アクセス情報
那覇空港[HND]からコモド空港[LBJ]までの主なルート
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 日本国内線 | ❶那覇空港[沖縄] ❷羽田空港[東京] |
| 日本国際線 | ❶羽田空港[国際線] ❷ジャカルタ国際空港[スカルノハッタ] |
| インドネシア国内線 | ❶ジャカルタ空港[スカルノハッタ] ❷コモド空港[ラブハンバジョ] |
経由地の選び方
羽田空港[HND]からジャカルタ空港[CGK]
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 出発空港 | 羽田空港[東京] |
| 到着空港(経由地) | ジャカルタ空港[スカルノハッタ] |
| 主な航空会社 | ガルーダインドネシア航空 /JAL |
| メリット | ❶直行便が多く、深夜発と早朝着が便利。 ❷乗り継ぎ回数が少ない。 |
| デメリット | ❶便数が少なく、チケットがやや高い傾向。 |
| 情報源 | [公式サイト]ガルーダインドネシア航空 |
羽田空港[HND]からデンパサール空港[DPS/バリ島]
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 出発空港 | 羽田空港[東京] |
| 到着空港(経由地) | デンパサール空港[バリ島] |
| 主な航空会社 | ガルーダインドネシア航空/ANA |
| メリット | ❶バリ観光を組み合わせやすい。 ❷観光客向け設備が整っている。 |
| デメリット | ❶バリからコモド間で追加フライトが必要。 |
| 情報源 | [公式サイト]ANA |
成田空港[NRT]からジャカルタ空港[CGK]
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 出発空港 | 成田空港[東京] |
| 到着空港(経由地) | ジャカルタ空港[スカルノハッタ] |
| 主な航空会社 | JAL/ANA/シンガポール航空 |
| メリット | ❶成田発は便数が多く、価格が比較的安い。 |
| デメリット | ❶羽田より移動距離が長く、国内移動が面倒。 |
| 情報源 | [公式サイト]JAL |
成田空港[NRT]からデンパサール空港[DPS/バリ島]
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 出発空港 | 成田空港[東京] |
| 到着空港(経由地) | デンパサール空港[バリ島] |
| 主な航空会社 | ガルーダインドネシア航空/ZIPAIR |
| メリット | ❶格安便が多く旅行費を抑えやすい。 |
| デメリット | ❶LCC便は遅延/荷物制限などリスクあり。 |
| 情報源 | [公式サイト]ZIPAIR |
移動時間と費用[那覇空港からコモド空港]
[目安]総所要時間
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 区間内訳 | 那覇→羽田…[2時間30分] 乗継(羽田)…[2時間] 羽田→ジャカルタ…[7時間30分] 乗継(ジャカルタ)…[2時間30分] ジャカルタ→コモド…[2時間20分] |
| 合計[例] | 16時間50分 |
| 目安レンジ | 14時間50分-18時間20分(乗継時間により変動) |
| メモ | 国内から国際の乗継は最低2時間 |
[目安]費用
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 合計(目安/片道) | 89,000-167,000円 |
| 内訳(片道) | 那覇→羽田…[12,000-25,000円] 羽田→ジャカルタ…[65,000-120,000円] ジャカルタ→コモド…[12,000-22,000円] |
| 往復の目安 | 178,000-334,000円(片道×2の概算) |
| 含まない費用 | 燃油サーチャージ/諸税/受託手荷物超過/座席指定 |
| メモ | 時期・販売クラス・LCC/フルサービスで大きく変動。セール期は下振れ、繁忙期は上振れ。 |
今回選んだルート[Agodaパック]
ルート
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| ①出発 | 那覇空港[OKA/国内線] |
| ②経由 | 羽田空港[HND/国内線/国際線] |
| ③経由 | ジャカルタ空港[CGK/国際線/国内線] |
| ④到着 | コモド空港[LBJ/国内線] |




予約/選定メモ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 予約方法 | Agoda[ホテル+航空券パック] |
| ルート選定 | Agodaが自動提案した最安値ルート |
| メリット | 総額が最安/ホテルも一括管理で手間が少ない。 |
| デメリット | 乗り継ぎ時間が超長い(待ち時間が伸びがち)。 |
| 乗継短縮時 | 値段が大幅に上がる(短時間=高額)。 |

那覇空港から羽田空港まで
片道航空券は『スカイスキャナー』
まず最初に言わせてもらうと、海外旅行って時点で金が飛ぶ。羽が生えて飛ぶ。俺の財布からも飛ぶ。という訳で、最初の戦場は航空券探し。ここで『スカイスキャナー』という文明の利器を使えば、貧乏旅人の俺でもギリ生き残れる。
今回の戦果は片道11,990円。那覇から羽田にしてはかなりの格安チケット…いや正直「この値段で飛行機が飛ぶのって逆に怖くない?」って思ったけど、飛んだ。ちゃんと羽田に着いた。エンジン途中で外れなかった。ありがとうスカイスキャナー、ありがとう人類の科学力。
ちなみに航空券は必ず印刷して持っていけ。スマホ画面だけで挑むのは、装備ゼロでラスボスに突っ込むようなもんだ。スマホが死んだ瞬間に「搭乗券どこ行った?」って顔面蒼白の地獄を味わうからな。紙にして残しておけば、何かしらトラブルが起きても「ほら!これが俺のチケットだ!」って自信満々で見せられる。実際はただのA4コピー用紙なのに勇者の盾を掲げた気分になれる。


家から出る前にキャリーケースが破壊
さぁ、旅立ちの朝。ドキドキしながらキャリーケースのチャックを閉めようとした瞬間
ガッ
あれ?閉まらねぇ。何度やっても閉まらねぇ。まるで俺の人生の隙間を埋められないみたいに、ガバガバのまま旅が始まった。
思い出したのは、昔どこかで聞いた言葉。
迷う理由が値段なら買え。買う理由が値段なら止めとけ。
はい完全に逆を行きました。俺のキャリーは『安さ』だけを理由に買った安物勇者。結果、出発前に自害。お前まだクエスト始まってすらないだろ。
チャックが閉まらないキャリーケースを前に『人は荷物を運ぶためにキャリーを買うんじゃない。キャリーに裏切られるためにキャリーを買うんだ。』と悟った。
朝7時の便
今回乗ったのは朝7時の便。正直「そんな時間に空港行く奴なんて俺くらいだろ」って思ってたら、モノレールはギュウギュウ。みんな朝からどこ行くの?会社?旅行?それとも俺と同じく安さに釣られて早朝フライトを買った戦友たち?
そう、朝早い便は格安な事が多い。つまり、眠気を犠牲にした者だけが勝利する世界。寝坊リスクという命懸けのデメリットと引き換えに、財布の中身だけは守れる。まさに現代の錬金術だ。
羽田空港からジャカルタ空港まで
羽田空港で破壊されたキャリーケースを応急処置
羽田に着いた俺は、まず飛行機じゃなくてキャリーケースと戦っていた。チャックが完全に死亡していたからだ。もうこの時点で俺の旅は『インドネシア行き』じゃなくて『キャリーケース葬式参列』に変わりかけていた。
藁にもすがる思いで、空港の修理店を調べて向かった。
- 「すみません!このキャリー直せますk」
- 「無理です」
- 「はい!」
約5秒ほどのやり取り。秒で切り捨て。人類にまだ冷たさって残ってたんだなって実感した瞬間である。
チャックは完全にご臨終。諦めるしかなかった。安さに釣られて買ったキャリーは、沖縄から羽田までのワンウェイ限定装備。旅の序盤でパーティ離脱。ありがとう安物、君の犠牲は忘れない(忘れたい)。
国際線ターミナルを間違えた
今回の旅、一番最初の強敵は飛行機でも税関でもなく、空港そのものだった。
- 外貨両替しに行ったらこう言われた。
- 「ここではルピアに変えられないけどあっちならできるからそこ行きな」
- そこでこう言われた。
- 「外貨両替するには搭乗券が必要だ」
- チェックインカウンターまで搭乗券を取りに行く。
- 「ここ空港違うよ」
おい冗談だろ。
結局、第3ターミナルまで猛ダッシュ。両替は完全に諦め、命と時間を優先。
なんとか搭乗手続きに間に合った。死ぬかと思ったって口癖になりそうだけど、この時ばかりはマジで空港に殺されかけた。
予定より遅れて離陸
必死こいて第3ターミナルまで全力疾走して、チェックインに間に合った俺。時計を見ると、フライトは11:45出発予定。
よし!これで安心!と思ったら、飛行機が動き出したのは12:30頃。
…はぁ?
俺の肺を焼き尽くしながら走ったあの30分は何?命削って得た時間はどこに行った?空港に吸い込まれて消えたの?人間、頑張ったら報われるって信じてたけど、羽田空港は俺にこう教えてくれた「走っても意味ない時は意味ないんだよ」って。
開いた口が塞がらないまま、シートベルトを締めた俺は悟った。この旅のタイトルは『死ぬかと思った』じゃなくて『努力が報われない世界線』だったのかもしれない。

映画が観たい
長時間フライトの救世主といえば機内エンタメ。席の前には立派なスクリーンがドーンと鎮座。
「よし!これで退屈とはオサラバだ!」と思ったら字幕が英語とインドネシア語だけ。俺の語学力?カタコトの「Hello」と「Terima kasih」で限界突破してるレベルだ。
ラインナップを見ると、なぜかゴリラ系とゴジラ系がやたら多い。巨大生物が都市を壊す映画がオンパレード。さらにDC系のフラッシュやアクアマンも揃ってる。おいどんだけヒーローと怪獣で世界を救わせたいんだ。
仕方ないから音を消して映像だけ鑑賞。
- フラッシュ『ただの走るのが速い人』
- アクアマン『ずっと海水浴してる人』
- ゴジラ『無言でビル壊すだけの怪しいトカゲ』
結果、俺の脳内では全てサイレント映画。


ガルーダインドネシア航空の機内食
長時間フライトのささやかな楽しみ、それが機内食。ガルーダインドネシア航空では無料で提供される。
無料って響き、良いよな。普段なら「タダより高いものはない」とか疑うけど、この時ばかりは「タダなら全部食うわ」精神が全開になる。
メニューは和食と洋食から選べる方式。つまり「箸で戦うかフォークで戦うか」の二択。悩んだ末に和食を選んだ俺は、白米と焼き魚に「これぞ日本人の魂!」と心の中でガッツポーズ。隣の席の人が洋食を選んでステーキっぽいのを食べてるのを横目で見て「やっぱりあっちにすれば良かったか?」と秒速で心が揺れるのも恒例行事。
機内食は美味しいとか不味いとかを超えた存在だ。空の上で出てくる時点でありがたい。地上で出されたら「まぁ普通かな」ってレベルの料理も、10000メートル上空では「これが世界一のご馳走だ!」って脳が錯覚する。飛行機ってすげぇな。人間を飛ばすだけじゃなく、食欲のハードルも下げてくれる。


ジャカルタに行く筈が謎の空港で降ろされて5時間待たされる
ジャカルタ空港に着くはずだった飛行機が、なぜか見知らぬ空港に降りた瞬間、俺の脳はフリーズした。地図にも出てこない空港名。アナウンスはインドネシア語。わかるのは「ここジャカルタじゃねぇ」って事実だけ。
隣にいた日本人のお兄さんに状況を確認したら、衝撃の事実が判明。
- ジャカルタ空港でトラブル発生
- だから別の空港に着陸(雑すぎない?)
- 「機内掃除するから出てって」と追い出される。
- 追い出された場所はベンチとトイレしかない。
- 待ち時間?5時間。
理解が追いつかない。俺はジャカルタに行くはずだったんじゃないのか。なんで知らない土地のベンチで途方に暮れてるんだ。飛行機って目的地に行くための乗り物じゃなかったのか?これじゃただの空飛ぶ遠回り装置だろ。
海外旅行の最大の敵は言語でも時差でもなく、理不尽なスケジュール変更である。


お詫びに凄い量の機内食くれるガルーダインドネシア航空
謎の空港で5時間放置プレイを食らった俺たち乗客に、ガルーダインドネシア航空が用意した救済措置は『機内食』だった。しかも全員分。
「これやるから許してくれ」と言わんばかりに次々と配られる弁当。もうビュッフェかよ。俺の隣の席の人なんて三回目くらいから「もう勘弁してください」って顔してた。


さらに再出発後、離陸してすぐまた機内食が出てきた。さっき食ったばかりなのに。胃袋のキャパよりも謝罪の気持ちを優先してくる航空会社、初めて見たわ。
でも俺が本当に欲しかったのは『早くジャカルタに連れて行ってくれる愛』なんだよ。機内食じゃ満たせないものがある。胃袋は膨れても心は空っぽ。飛行機の窓に映った自分の顔は『食べすぎて虚無』だった。
ガルーダ航空の機内食は腹を満たすけど、心の空白までは埋めてくれない。


ジャカルタ空港からコモド空港まで
ジャカルタに着いたのは夜の2時頃
ジャカルタに着いたのは現地時間で夜の2時。日本時間にすると朝の4時。もう訳がわからん。寝るべきなのか、朝活すべきなのか、むしろ踊り出すべきなのか。
ここまで来ると逆にテンションが上がってくる。疲れすぎて脳がバグったのかもしれない。周りの乗客がゾンビみたいに椅子で沈んでる中、俺だけ「よっしゃあ!今からが旅の本番だ!」とか心の中で叫んでた。誰か止めてくれ。
正直、この時点でもう全てがどうでも良くなってた。「コモドドラゴン?別に会えなくても良いか〜代わりに空港の清掃員さんにサイン貰って帰ろうかな」くらいの無敵モード。
夜中2時のジャカルタ空港は、旅人の理性を破壊してハイテンション芸人に変える魔境である。


外貨両替と海外SIMカード
ジャカルタ空港に着いて最初のミッションは外貨両替。
日本円3万円をルピアに変えた瞬間、財布がドラッグストアの割引シールみたいに分厚くなった。インドネシアの紙幣、サイズはほぼ一緒なのに桁だけインフレしてるから脳がバグる。
「俺今日から大富豪?」って一瞬だけ錯覚した。でも実際はただの円をルピアに変えただけ。明日からまた庶民。
続いて海外SIMカードを購入。6Gのプランを選んだんだけど、値段は完全に記憶喪失。限界突破した脳みそで「高いのか安いのか」も考えずに買ったから、もしかすると俺は空港で一番ぼったくらいやすい客だったかもしれない。
でも旅人にとってネットは酸素みたいなもの。SIMがなければGoogleマップも翻訳アプリも使えないし、最悪このまま「インドネシアに消えた日本人」ってドキュメンタリー番組に出演する羽目になる。値段を覚えてなくても、命の保証料だと思えば安い…はず。


乗り継ぎ時間は16時間から8時間に
当初の予定では16時間待ち。丸一日空港に幽閉コースかと覚悟していたら、謎の空港5時間事件で8時間に短縮されていた。
嬉しいはずなのに、この時点で俺の心はもう「16時間でも8時間でも同じだよね?」と壊れかけのラジオ状態。感情がバグって何も響かない。ここまで来ると、もう何が起きても「そういうもんか」と受け入れる悟りの境地。悟空だって修行でここまで諦観してない。
という訳で次の行動は『寝床探し』
もはや観光でも冒険でもなく、空港サバイバル生活の始まりである。床に寝るか?ベンチを奪うか?それとも心を無にして立ったまま眠るか?選択肢は無限。RPGならワクワクするけど、現実でやるとただの不審者だ。
空港のベンチで6時間爆睡
寝床探しの末に辿り着いたのは、人通りと監視カメラがバッチリあるベンチ。盗難防止というより「せめて盗まれる瞬間は記録映像に残したい」という切ない願いが込められている。
そこで俺は、倒れるように寝た。気づけば6時間爆睡。もう旅人じゃなくてベンチと一体化した置物だ。目覚めた瞬間、全身バッキバキ。肩も腰も足も死亡。人間の体ってこんなに関節多かったっけ?ってくらい痛かった。
空港のベンチはベッドじゃない。でも人は限界を超えると、どこでも寝られる哀れな生き物になる。

コモド空港へ
ベンチで6時間爆睡した結果、搭乗手続きに出遅れる俺。普通なら「やばい!置いていかれる!」って焦るところなんだけど、ここまでトラブルを浴び続けてきた旅人の脳はすでに進化していた。
「でもどうせ遅延するし」
そう思った瞬間、心の余裕が芽生える。チェックインカウンターに並びながら、周りの観光客がソワソワしてる中で俺だけ涼しい顔して「遅延?むしろ定刻通り飛んだら驚くわ」みたいな悟りっぷり。
この余裕は旅の経験値で得られたものじゃない。ただの諦めの境地である。遅れるのが当たり前、飛んだら奇跡。インドネシア国内線はそういう世界。

何回も出てくるガルーダインドネシア航空の機内食
ついに国内線に乗り込み、あとはコモド空港に着くだけ…のはずが、またもやガルーダインドネシア航空恒例の『機内食祭り』が始まった。今回はトラブルも遅延も何も起きてないのに、なぜかお弁当が配られる。もうやめて!俺の胃袋はとっくにゼロよ!
CAさんに「チキンorビーフ?」と聞かれ、迷わず「チキン!」と答えた…が、出てきたのはビーフ弁当。あれ?聞き間違えた?いや違うこれはもう運命。ガルーダ航空は俺に「お前はチキンを選んでもビーフを食え」という謎ルールを課してきた。
もう何が正解なのか分からない。ただ一つ分かったのは、人間は飛行機に乗り続けると機内食に対して「ありがたい」じゃなくて「もうやめてくれ」って祈る存在になるという事だ。コモド空港に着く前に俺の胃袋が爆発して終わるかもしれない。

田舎の小さい空港
ようやく辿り着いたコモド空港。飛行機を降りて外を見渡すと、停まってる飛行機はたったの3機。しかも周りは一面の荒野。ここほんとに空港?それとも『飛行機ごっこ広場』じゃない?ただただ『飛行機が降りてくるからとりあえず滑走路作っときました』感が漂ってる。
でも、こういう田舎の小さい空港って旅情があって良い。空港なのにテーマパーク感ゼロ、便利さもゼロ、代わりに「これから未知の島に放り出されるぞ」ってワクワクが全開になる。文明の匂いが急に途切れて、いきなり冒険モードに切り替わる瞬間だ。
空港の外には「タクシー?」としか言わないハイエナ共の群れ
コモド空港を出た瞬間、俺を待ち構えていたのは南国の青空でもコモドドラゴンでもなく「タクシー?タクシー?タクシー?」と繰り返すハイエナ共の群れだった。
こっちは宿が近いから歩いて行くつもりなのに、奴らは目をギラつかせて「タクシー?」しか言わない語彙力を全部タクシーに捧げた哀れなモンスターたち。しかも空港から離れてもまだ追ってくる。お前らの執念深さ、もはや恋愛ホラー映画のストーカーだろ。
「ノー!」って何回言っても「タクシー?」
「ウォーク!」って言っても「タクシー?」
「タクシーしか言えねぇならいっそUberに転職しろや」
最後に
那覇空港から羽田、羽田からジャカルタ、ジャカルタからラブハンバジョ、そしてようやく辿り着いたコモド空港。冷静に振り返ると、俺がやったのは『ただ飛行機に乗った』だけなのに、なぜか一冊のサバイバル小説くらいの濃度が詰め込まれていた。
- 出発前にキャリーケースが死亡
- 空港ターミナルを間違えて命懸けのマラソン
- 遅延しまくりで「走った意味とは?」と哲学に突入
- 謎の空港に強制着陸して5時間放置
- お詫びに大量の機内食をぶち込まれて胃袋が爆散
- 16時間待ちが8時間待ちに変わっても地獄は地獄
- ベンチで6時間爆睡して目覚めたら全身バラバラ死体状態
- 最後は「タクシー?」しか言えないハイエナ軍団に取り囲まれる
これただの移動の話だぞ?観光どころかコモドドラゴンの尻尾すら見てないのに、すでに「死ぬかと思った」を何回も発動してる時点でおかしい。
でも思うんだ。旅って結局『目的地』に行く為じゃなくて『たどり着くまでのカオス』を笑い話にする為にあるんじゃないかって。確かにキツかった。胃も壊れたし、体も壊れたし、キャリーケースは出発前に先に死んだ。でも今こうしてブログに書いてる時点で、もう全部ネタになってる。
つまり、旅行とはドラゴンに会う前に人間の精神力を試す壮大なRPG。ジャカルタ空港で悟りを開き、ガルーダ航空に無限給餌され、ベンチで転生した俺は、ようやく冒険のスタート地点に立てたのだ。
次回こそはコモドドラゴンに会える…はず。いや会えなかったらまた『死ぬかと思ったシリーズ』が増えるだけなんだけどな。

他にも色んな記事を書いてます。沖縄移住で新しい文化に触れたり、沖縄の離島をチャリで回ったり、県外に出て絶景を巡ったり、海外でパスポート投げつけられたり。お時間があれば、ぜひ他の記事も覗いてみて下さい。
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最後まで読んでくれて本当にありがとう。あなたの貴重な時間を、俺のクソどうでもいい体験談に溶かしてしまって申し訳ない…とか言いながら、めちゃくちゃ嬉しいからこれからも遠慮なく時間を奪わせて下さい。


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