初めての海外ダイビングがコモド島。正直、最初は「世界遺産?どうせ陸だけでしょ?」って思ってたんだ。すみません、海の中もちゃんと世界遺産でした。
ライセンスは仕事で取ったダイブマスター。つまり潜るのはプロだけど、テンションは完全に修学旅行生。今回のターゲットはマンタ。あの優雅な羽ばたきを生で見たくて、酸素ボンベよりも夢を背負って海に飛び込んだ。そして潜って数分で確信した。
「ここ海の中の沖縄どころか海の中の宇宙だ」
サンゴも魚も全部が主張してくる。光も音も匂いも、地上とは別の世界線…正直、沖縄の海にちょっと申し訳なくなるレベルで綺麗だった。
今回はそんな『世界遺産の海』を、彼女(海)に惚れ直したなをとが紹介していく。
世界中のダイバーが憧れる海
世界遺産で潜れる奇跡の海域
コモド島の海は、世界でも数少ない世界遺産の中で潜れる海だ。ここはただのダイビングスポットじゃない。ユネスコが認めた『海ごと天然記念物』みたいな場所。
生物多様性の観点から世界自然遺産に登録されており、マンタ、ウミガメ、サメ、カラフルなサンゴ、全部が天然のショーケースみたいに泳いでる。
しかも環境保全が徹底してるから、魚たちが人間を見ても逃げない。「おっまた観光客来たな」くらいのノリで目の前を通過してくる。
地上の観光地が人混みで息苦しいなら、この海の中は酸素ボンベ越しの楽園。空気は自前だけど、景色は世界クラスだ。
全てが規格外
まず流れが速い。普通のダイビングが『泳ぐ』なら、コモドは『流される』
地形も生態系もスケールが違う。サンゴ礁が山みたいに隆起してて、海流が谷のようにうねってる。魚の密度はまるで水族館が爆発したあとみたい。大物(マンタやナポレオン)もいれば、マクロ(小さなエビやカニ)も豊富で、どこ見ても命のオンパレード。
そして最大の特徴が『ドリフトダイビング』だ。流れに身を任せて漂うスタイルで、海中を滑空してる感覚に近い。まるで海の風に乗る悟りの修行。
要するに、ここは『のんびり潜る海』じゃなくて『海に鍛えられる修羅場』だ。でも、それでも笑えるくらい美しい。


コモド島の特徴
急激に深くなる海底地形
コモドの海は、浅瀬からいきなり奈落。砂浜のすぐ先がもう崖。サンゴ礁、隠れ根、岩礁、砂地、ドロップオフ…地形の種類が多すぎて、もはや海底ハッピーセット状態。
潜る度に風景が変わる。一瞬前まで「穏やかな砂地だな~」って思ってたのに、次の瞬間には崖下50mのディープゾーン。初見殺しも良いところ。
この変化がコモドの醍醐味でもあり『命綱の残圧』がガチでありがたく感じる瞬間でもある。
潮は激流
コモドの潮はとにかく速い。「流れに逆らうな」がここでの鉄則。ドリフトダイビングがメインで、流れに乗るというより、もはや流れに持っていかれる。
でもその激流が、海を生かしてる。潮が強い分だけプランクトンも大量に運ばれ、それを食べに魚、ウミガメ、サメ、そしてマンタが集まってくる。
つまり、ここは『流されながら奇跡を見る』場所。泳ぎに自信がある人ほど、調子に乗って流されるから気を付けよう。海の中での主導権は100%あっちにある。
島の周りがそのまま『生きた図鑑』
コモド諸島は、北と南で海流がぶつかる海のクロスロード。そのおかげで、ポイントごとに生態系がガラッと変わる。北は温かくて透明度が高く、南は冷たくて栄養たっぷり。まるで同じ海とは思えない。
あるポイントでは色鮮やかなサンゴとトロピカルな魚が踊り、別のポイントでは深海の生き物が潜む。つまりこの島全体が、ページをめくるたび景色が変わる生きた図鑑。
地球の『生命データベース』をそのまま泳いでる気分になる。教科書の中に自分が潜ってる感覚。そりゃ世界中のダイバーが夢中になる訳だ。


今回利用したツアーショップ
オーシャンアカデミーコモド
前回のアイランドポッピングツアーでもお世話になった『安心と信頼のコモドの海の母校』こと『Ocean Academy Komodo(オーシャンアカデミーコモド)』さん。
ここはアイランドポッピングもダイビングも両方やってる万能ショップで、海遊びのフルコースを一括管理できる海の総合商社みたいな存在。
そして何よりマンタ遭遇率が人間界の統計を超えてる。「また潜るならここだな」と思える安定感がある。
日本人には嬉しい日本語対応
海外ダイビングで一番怖いのは『説明が英語で分からないまま潜る』事。その点『Ocean Academy』は日本語ガイド付きだから、バディサインも安心して笑顔で沈める。
ガイドさんは海中の生物だけじゃなく、海の中のテンション管理までしてくれる。「大丈夫?楽しい?」って聞かれる度に「酸素残量よりメンタルケアしてくれてありがとう」って思う。
もし海仲間が「コモドで潜りたい」って言ったら、迷わずここを紹介する。いや紹介どころか「ここ以外行くな」って言う。
予約方法
予約はオンラインで完結。入力内容は割と本格的で、以下の通り。
- 名前
- 連絡先(メール/電話番号)
- パスポート情報
- コモド空港への到着および出発のフライトナンバーと日付
- 満席時の予備日候補
- 経験本数/指導団体/ランク
- レンタル器材の有無
この時点で「命預ける準備OKですか?」感がすごい。
申し込み後は『予約確定メール』と『前日リマインドメール』が届く。連絡もこまめで、スタッフの対応も丁寧。返信速度が早すぎて、もはや海の上でWi-Fi使ってる説ある。
[オーシャンアカデミーコモド]3タンクボートダイブの予約はこちらから
安心とプロ意識が共存した、まさに『ダイバー版/星付きレストラン』みたいなショップだった。
注意事項
- オープンウォーター以上。
- 最終ダイブより一年以上のブランクがない。
- 最終ダイブより一年以上経過されている方はプライベートガイドをお申し込み下さい。
船の環境
船内の設備紹介
今回乗った船、見た瞬間の感想
「全部!木で出来てる!」
そう、鉄でもFRPでもなく、木。インドネシアの船は昔ながらの木造船が主流で、理由を聞いたら「壊れてもすぐ直せるから」っていう、まさかの大工魂ベースの合理主義。
木の香りがするデッキに、太陽光が反射してキラキラ輝く。【潮風+木材+エンジン音】この組み合わせがもはや癒しBGM。
設備も意外と充実してて
- トイレ
- シャワー
- ウォーターサーバー
- ソファー
- ベッド
もはや、海の上のカプセルホテル。
ダイビングの合間にベッドで寝て、目覚めたら水平線が揺れてる。「この体験人生で何回味わえるんだ」って話よ。






船上ランチタイム
そして何より驚いたのが昼ご飯がビュッフェスタイル。海の上でビュッフェ…字面だけでリゾート界の上位互換。
白身魚のフライ、チャーハン、野菜炒め、スープ。どれもちゃんと温かくて、味もしっかり美味い。「船の上でこれ出せるの?」って思う。食べながら見えるのは、360度の海と空。BGMは波の音、照明は太陽。つまり、この世で一番贅沢なレストラン。
正直、ツアー料金が高い理由がここで分かった。海の上で飯が出るってだけで、もうありがたみが違う。地上のランチは『食事』だけど、海上のランチは『体験』だ。
俺がもし神様なら、この光景をそのまま世界遺産にする。




今回潜った3つのポイント
コモドの海は広い。いや『広い』なんて言葉じゃ足りない。潜ってる途中で「ここどこの海だっけ?」って一瞬迷子になる海界のアマゾン。
その膨大なダイブポイントは大きく分けて【南部/北部/中央(セントラル)】の3つのエリアに分類されている。南部は冷たい潮で栄養たっぷり。魚影が濃くて、たまに「お前ら密すぎない?」って言いたくなるほど群れてる。北部は透明度が高く、光のシャワーが降り注ぐフォトジェニック担当。そして中央エリアは、安定のオールラウンダー。
季節や風向きによって潜れる場所が変わるけど、一年を通して比較的潜りやすいのがこの中央(セントラル)エリア。海況も穏やかで、初心者から上級者まで楽しめる海の交差点的ゾーンだ。
ちなみに『安定してる』って言葉に油断すると、普通に流れに吹っ飛ばされる。【安定=安全】じゃなく【安定=生き物の祭りが開催されてる】って意味。
コモドの海は常に変化してる。同じポイントに二回潜っても、昨日はマンタ、今日はサメ、明日はなんかデカい影って感じで毎日がガチャ更新。
だからこそ、潜る度に新しい発見がある。この海、潜るというより生き物の宇宙に招待される感覚だ。
シアバベサール
このポイント、まず見た瞬間に思う「もうここ住めるな」
浅瀬一面に広がるサンゴ礁と、白砂が放つリゾート系のまぶしさ。太陽の光が水面から差し込んで、サンゴがまるでネオン看板。流れもほぼゼロ。波もおだやか。
そして何よりウミガメの遭遇率がバグってる。普通に10分に一回は「またカメ?」って思ってた。こっちは息止めて潜ってんのに、アイツらはスィ〜ッて優雅に通り過ぎる。多分海の中で一番上手くやってる生き物。
このポイントはまさに海の無印良品。派手じゃないけど、全部が落ち着く。

マンタポイント
名前からして期待値が爆上がりする場所。「マンタが出ればマンタポイントで出なければマカサールリーフ」このネーミングセンス、潔すぎて逆に好き。
運が良ければ何枚ものマンタが頭上を通過していく。優雅に羽ばたくように泳ぐその姿は「海の中に天使いたわ」って錯覚する。
ただし、見れなかった場合は海底のがれ場観察タイム。でも侮るな。ジョーフィッシュがちょこちょこ顔出してくる。小さな顎の生き物が「地味に可愛い」という沼ポイント。
ちなみに昔はダイナマイト漁の影響でサンゴが減ったエリア。それでもマンタが戻ってきたって事実がもうエモい。再生と希望が泳いでる海。10月以降はシーズンインだから『マンタ様のご機嫌タイム』に突入するぞ。

バトゥボロン
- バトゥ=岩
- ボロン=穴
つまり『穴あき岩』…説明からしてもう強そう。
水面から突き出た巨大な岩の周りを潜るダイナミックポイントで『THE・ドロップオフ』って感じの地形が続く。深場にはロウニンアジや巨大ナポレオンが出没、浅瀬はカラフルなハナダイが乱舞してサンゴの上を覆い尽くす。映像で見た『海の楽園』が、ここでは現実。
ただし流れは常に強め。ボーッとしてると気づいたら『隣の岩ゾーン』に引っ越してる。ガイドさんから離れた瞬間、文字通り『流される人生』
ここは観光じゃなく修行。流れに抗って生きる人類代表ダイブ。でも、上がった後の爽快感は異常。多分あの瞬間だけ、自分も海の一部になってた。

ツアー詳細[オーシャンアカデミーコモド]
料金
| 項目 | 料金(ルピア) | 料金(日本円) |
|---|---|---|
| 基本料金[12歳以上] | IDR3,000,000 | 約28000円 |
| 別途[コモド国立公園入場料/アクティビティチケット] | IDR300,000[当日/現金] | 約2800円 |
決済方法
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 予約時の支払い | WEB予約はクレジットカード利用可 |
| 現地での支払い | 国立公園入場料などは現金(ルピア)で当日支払い |
所要時間
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| ツアー時間 | 約10時間 [例]集合6:30頃-帰港17:00前後 |
ツアー代に含まれるもの
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 含まれるもの | ガイド/タンク/ウエイト/ランチ/ドリンク/保険 |
ツアー代に含まれないもの
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 含まれないもの | 器材レンタル/コモド国立公園入場料/アクティビティチケット/送迎 |
持ち物
- カレントフック
- シグナルフロート
- Cカード
- ログブック
- ダイバーズメディカルチェック表
- 危険の告知書
以上、命と安全と信用を守る6点セット。この6つがないと、潜る前にスタッフから「帰れ」と言われるやつ。
基本的にこのツアー、ポイントがドリフトダイビング。つまり「海流に逆らう?なにそれ無理」っていう海の流れに身を任せるスタイル。
なので必須装備が『カレントフック(流され防止の命綱)』と『シグナルフロート(自分の居場所を知らせる命の旗)』この2つを持たずに潜るのは、例えるならスマホも地図もなしで無人島行くようなもんです。ロマンじゃなくてただの迷惑。
あと『Cカード(ダイビング免許証)』と『ログブックは海の履歴書』これ忘れると「実は潜れません☆」ってなる。信用、海に流れる。
さらに『ダイバーズメディカルチェック表』と『危険の告知書』は、命に関わる書類。「泳げます!心臓動いてます!海怖くないです!」みたいな自己申告を紙にするアレ。プリントアウトして記入しておくのが礼儀。
潜る前の準備って、正直ちょっと面倒。でもこれ全部、安全にバカやる為の下準備。
海は甘くない。でも、ちゃんと準備した奴には最高のご褒美くれる。だからこそ、潜る前の5分が命の保険。
最後に
船の上では写真を鬼のように撮った。空、海、昼飯、知らん人の背中。多分200枚以上ある。でもな、海の中の写真は一枚もない。
理由?潜ってる最中、景色が凄すぎてカメラ持ってるの忘れてた。マンタが目の前を通った瞬間も「わぁ〜」って口開いて泡出して終わった。完全に撮るより感じる派ダイバー。
ただし!ちゃんと動画は撮った。海の中で「うぉぉおマンタぁ!」って叫んでるやつ。それはInstagramのリールに載せてある。
という訳で、この記事には海中写真が一枚もないけど、その代わり本物の海の温度はちゃんと伝えたつもりだ。
水面のきらめき、船のきしむ音、潜る瞬間の緊張、全部海の中で「生きてる」って感覚そのもの。写真より思い出が鮮明なダイビング。これで許して下さい。

ここまで読んでくれてありがとう。長い文章に付き合ってくれたあんた、多分もう半分ダイバー。呼吸も泡で出してる頃だろ?
俺は普段からこんなイカレた記事ばっか書いてる。
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お時間あるなら、ぜひ他の記事ものぞいてってくれ。時間ないなら…うん読まんで良い。現実世界に戻ってちゃんと呼吸して。
また暇になったら戻ってこい。俺、多分まだここで書いてるから。



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