約二週間前に『首里城の正殿が出来た』って見出しをネットニュースで見たんだ。あの燃え盛る映像をリアルタイムで見た人間としては、正直信じられなかった。
2019年、沖縄の誇りが炎に包まれ、夜空を赤く染めたあの日。ニュースで『全焼』と見た瞬間、全国の心のどこかが一緒に燃え落ちた。
それから約5年。首里城は今、ゆっくりと、でも確実に立ち上がっている。
再建工事の現場に足を運ぶと、そこは『人間の執念と技術の集結地』だった。瓦礫の上に新しい希望を積み上げる職人たちの姿に、夢中になった。
今回は、そんな再建の現場を実際に歩いてきた。「火のあとにちゃんと未来があった」その証拠を写真と一緒に紹介していく。
現在の首里城正殿エリアの様子
見学デッキから見る『再建中の赤瓦』
青空と仮囲いの向こうに少しずつ姿を取り戻しつつある首里城の屋根。パネルには再建作業の様子が描かれ、現場の職人たちの努力が可視化されている。観光地というより『職人たちのドキュメンタリー映画の中に迷い込んだ感』

足場の向こうに見える『復元中の正殿』
瓦と彫刻が再び赤く塗り直され、失われた城の『魂』が形を取り戻している。工事車両と重機が並ぶ姿すら神聖に見える瞬間。重機が働いてるのに何故かか泣ける不思議な現場。

職人たちの再建作業
[令和5年6月]原寸図の確認
設計図ではなく、魂の図面。彼らが指さす線の一本一本に数百年前の技術と伝統が宿る。線一本に人生懸けてる感じ、俺なら二本目で心折れる。

[令和5年7月]礎石の据え付け
建物の『心臓』となる礎石を正確に配置する作業。1mmのズレも許されない。地味で壮絶な戦い。地味な作業ほど派手に尊い。YouTubeでバズってほしい職人仕事No.1。

[令和5年5月-9月]木材加工
巨大な丸太を『柱』に変える職人の手。ノミの一撃に込められた精度と誇りが、まさに『沖縄の魂』そのもの。これが本当のクラフトマンシップ。俺のDIYとは世界線が違う。


柱と屋根の組み上げ工程
[令和5年9月]柱の建て込み
骨組みが立ち上がる瞬間。職人たちの掛け声が響く度に『城が呼吸を始めた』ような感覚になる。柱一本で泣けるのは世界広しといえど首里城くらい。

[令和5年12月]屋根木材の組み上げ
巨大な木材をクレーンで吊り上げてピタリと組み合わせる職人技。計算と感覚が融合した空中のパズル。これ絶対ミスれないJENGA。レベル神域。

赤瓦の復元工程
[令和6年7月]赤瓦設置
一枚一枚、職人の手で丁寧に敷かれる赤瓦。屋根全体が『沖縄の空と太陽』を映す鏡のよう。この瓦一枚貼るたびに『沖縄の誇りポイント+1』されてる説。

[令和6年7月]赤瓦漆喰下塗り
最後の仕上げ工程。職人の指先で滑らかに塗られる漆喰が赤瓦に命を与えていく。この手つき…もはや芸術。俺のスマホ保護フィルム貼る手とは別次元。

首里城の『命』を塗り直す彩色と装飾の最終工程
[令和7年2月]外壁塗装の上塗り
赤と黄のコントラストが眩しい。職人が一筆ずつ丁寧に塗り上げるその姿は、まるで『琉球の血』を壁に流し込むかのよう。赤は情熱、黄は希望、青は…多分空。全て塗るまでが首里城のリセットボタン。

[令和7年4月]彫刻物の彩色/牡丹と獅子子
細かな花びらや獅子の毛並みまで筆一本で描かれていく。見る側の呼吸まで止まるような集中の現場。こんな繊細な筆使いできるなら俺のサインも代筆して欲しい。

[令和7年4月]火炎宝珠の彩色
再建の象徴とも言える火炎宝珠。黄金の中心が光を反射して再生の炎のように輝いている。この輝き、Photoshopいらず。職人さんの手がエフェクト機能。

[令和7年5月-6月]向拝柱の彩色
金龍と五色の雲を筆で描く作業。ミリ単位の線が何百年の伝統を継承していく。筆先で龍を描く…神話を物理的に再現してる人たちがいるって凄くない?


[令和7年5月]向拝妻飾/彫刻物の取り付け
絢爛な金龍と火炎宝珠がついに正面に装着。これぞ『首里城の顔』の完成。この瞬間に城が『ただの建築物』から『王の帰還』に変わる。

[令和7年6月]龍頭棟飾の取り付け
屋根の上に鎮座する龍頭。全長3.4mの空を睨む守護神。この龍が再び風を受ける日こそ、首里城復活の象徴。この龍、絶対Wi-Fiの電波強そう。守護神兼ルーター。

龍頭の実物大パネル展示
高さ約1.6m幅約3.4mの実寸大。現場ではこの模型が展示され、再建の進行を誰でも見られるようになっている。現場公開型の復興。これが見せる再建ってやつ。

首里城再建の始まり
[2023年9月]一本の柱から全ては動き出した
再建の第一歩は、たった一本の柱。だがその一本が立つ時、城の『魂』も再び立ち上がる。最初の一本って何でも一番しんどい。ダイエットも筋トレも再建も。

[2023年9月]礎石の設置
正殿を支える灰色の礎石。この一枚一枚が数百年の重みを静かに受け止める。縁の下の力持ち?違う。城の下の根性持ち。

[2023年10月]柱が並ぶ正殿の骨格
建物の『骨』が見える段階。人間で言えば、まだ骨格標本。でもすでに威厳がある。肉がなくてもオーラで分かる。コイツは王の家だなって。

[2023年12月]梁と棟の軸組み完成
柱と梁が繋がり、建物が『呼吸』を始めた。ここまで来ると、もう『城の形』が見えてくる。地味な木材組んでるのにBGMは絶対『英雄のテーマ』

[2024年2月]屋根の基礎組み
木の段差が屋根の骨格に変わっていく。この時点で既に『あの勾配』が見えてくる。屋根の形が見えると完成が一気に現実味を帯びるんだよな。恋と一緒。

[2024年6月]屋根の全面木下地完成
木の板がびっしり敷き詰められた屋根。この上に、あの『赤瓦』が乗る未来を想像するだけで胸が熱い。屋根ができると『守られてる感』が出る。まだ雨漏りするけど。

[2024年7月-8月]赤瓦の設置開始
職人たちが一枚一枚、手作業で瓦を並べていく。ここから城が『赤く蘇る』瞬間が始まる。塗り絵じゃなく瓦絵。リアルに塗ってるのが人類って凄いよな。


[2025年3月]屋根瓦の完成
ついに屋根が完全体へ。火災で失われた赤瓦の輝きが再び那覇の空に戻った。2025年、首里城はもう泣かない。燃えた分だけ強くなった。

首里城再建の色彩工程
[2023年9月]白木の正殿
真新しい木材の輝き。まだ何も塗られていない純白の首里城。まるで再出発を象徴するキャンバスのようだ。白木の城とかピュアすぎて触れたら俺の人生が汚れそう。

[2023年11月]木組みの積層
柱が組まれて層をなす構造体。木の香りが充満して静かに命を吹き込まれていく。人間関係もこうやって積み上げれば崩れにくいんだろうな。

[2024年10月]黒漆の下地へ
木の色が少しずつ黒に変化。漆という時間と手間の化学反応が始まる。白から黒になる途中って『人生の悩み期』みたいで好き。

[2024年11月]中塗り工程(黒漆)
細粒砂岩を混ぜた漆を丁寧に塗り重ねる。ボランティアが作った『ニービの骨』がここに活きる。人の手で作った『骨の粉』が城を守る。首里城、強い。

[2025年2月]黒の定着
全体が深い黒に包まれた状態。まるで再建の夜明け前。色を取り戻す直前の静寂。黒は悲しみの色じゃない。準備の色だ。

[H3][2025年4月]弁柄塗り
黒の上に赤を重ねる『中塗り』。この時点で光の反射が一気に変わる。黒を塗り重ねてからじゃないと、赤は映えないんだよ。人生もな。

[2025年6月]朱の誕生
久志間切産の弁柄と桐油による『上塗り』。あの鮮烈な首里城の赤が、ついに蘇る。燃えた城が、燃えるような赤で帰ってくる。反撃開始だな。

[守り神]獅子像の復活へ
黄金に輝く獅子。完成後は正殿の屋根で王国を見守る存在に。横幅1.5mの全長90cm。琉球の魂を象徴する守護者だ。守り神って『いるだけで安心するタイプ』の代表だよな。人間界にも欲しい。

唐破風(カラハフ)の誕生
[2024年4月]ここはどこかな?
まだ何も彩られていない、静かな傾斜の骨。この段階では、誰もこれが『首里城の顔』になるとは思うまい。顔も最初は『骨格』から。化粧もまだしてない寝起きの城。

[2024年5月]曲線の誕生
美しいアーチが現れ始める。職人の技と勘が生み出す『唐破風』特有のカーブ。人間で言うなら、ここが『二重のライン』確定した瞬間。

[2024年8月]木の曲面が完成
緩やかな起伏が、建築の美そのもの。まだ屋根瓦も装飾もないが、この時点で既に芸術。ここだけ見たら『木製ジェットコースター』だけど、未来の国宝です。

[2024年9月]瓦の装着
曲線に沿って赤瓦を一枚ずつ並べる。屋根というより『舞台装置』のような存在感。このカーブを手作業でやるの、職人じゃなきゃ拷問だよ。

[2025年5月]唐破風の完成
ついに完成。白と朱、金と黒、琉球王国の美が一点に凝縮された瞬間。ここが首里城正殿の顔、そして祈りと誇りの象徴。ここまでくると『再建』って言葉じゃ足りない『蘇生』だよ。

龍頭棟飾の誕生
[2023年6月-10月]下地型の制作と陶土(粘土)での造形
首里城の屋根を守る『龍の頭』が、まずは白い原型として姿を現す。この段階では、まだただの発泡材。だがここから魂が宿る。どんな伝説も最初は『白模型』から始まる。型が出来たら職人たちが粘土を練り、細部の曲線を作り上げていく。眉の一本、鱗の一枚まで、全てが手仕事。この粘土、子どもの工作じゃない『国宝の素』だ。

[2024年1月-6月]仕上げ成形
細部を彫り込み、焼き上げの準備が進む。職人の指先に宿る集中力は、もはや瞑想の域。命懸けの『図工』ってこういう事なんだろうな。

[2024年6月-8月]窯出しと仮組み
高温で焼かれたパーツを取り出し、龍の形に組み立てていく。その数なんと約200パーツ。焼きムラひとつ許されない200ピースのパズル、完成しなかったら国民総ショックだぞ。

[2024年9月]仮組み完了
鱗が輝き、牙が光り、龍が再び息を吹き返す。この瞬間『首里城の魂』が形になった。ここまでくると、もはや再建じゃなく召喚だな。

[2025年3月]正殿屋根への取り付け
クレーンで吊られ、慎重に屋根の頂へ。まるで『龍が天へ昇る』かのような瞬間。ファイナルファンタジーの召喚シーンより神々しい。2025年6月、完成した龍が再び那覇の空を見守る。その眼光は、炎をも恐れぬ強さを宿していた。「もう燃えねぇよ」って顔してるな。お前が守れ龍。

屋根を守るもう一つの守り神『鬼瓦(シーサー)』
首里城の鬼瓦は『鬼』じゃない
首里城の屋根に並ぶ装飾瓦は『鬼』ではなく『シーサー』だ。正殿の正面と背面に阿吽の2対、計4体が設置されている。令和の復元では、国内外の寄付金を活用し、沖縄県立芸術大学と地元職人が共同で制作。平成の時より約1.1倍大きく、顔の造形や彩色もより繊細に。つまり『守り神界の営業スマイル担当』って訳だな。

[平成と令和]シーサーの違い
平成時代の復元時に作られた鬼瓦と、令和版の新作シーサーを比較すると、色味もツヤも全く違う。令和の方は深い緑と赤が輝き、焼き物としての完成度が格段に上がっている。特に髪のうねりと目の立体感が強調され、より『生きている守り神』のよう。平成版=体育会系。令和版=モデルデビュー前夜。進化ってこういう事か。

職人たちの挑戦
制作を担当したのは、那覇市やちむん職人の新垣親子(造形)と、秀工房の職人(彩色)。伝統のやちむん技法と現代の窯技術を融合し、一度の焼きムラも許されない精密な工程で仕上げられた。家族で鬼瓦作るって聞くと平和すぎるけど、やってる事は国家的芸術だよな。
[2025年現在]実物展示も公開中
現在、首里城正殿前では完成したシーサー瓦の実物が公開中。日差しを浴びると、赤と緑の釉薬がまるで炎と波のように輝く。屋根の上では見上げるだけだが、地上で見るとその圧力は圧巻。守り神っていうより、もう『見守り上司』じゃん。こっちが仕事サボれなくなるやつ。

全てはあの日の夜から始まった
[2019年10月31日]首里城火災
深夜の那覇を照らしたのは、観光地のライトアップではなく『炎の光』だった2019年10月31日未明、世界遺産『首里城』が火災により焼失。正殿/北殿/南殿など主要7棟が全焼し、沖縄県民にとって『心のよりどころ』が一夜にして姿を消した。歴史の教科書には『焼失』って二文字で済むけど、現場にいた人たちの心のページは、今も焦げ跡だらけだよ。


炎のあとに残ったもの
瓦礫の中には、龍のタテガミ、ウロコ、牙、顎髭、目玉…かつて屋根を守っていた龍頭棟飾の破片が、無数に散らばっていた。それらは焼け落ちた建材ではなく、もう一度立ち上がるための設計図になっていった。壊れたパーツを見て「再建しよう」って言えるの、人間だけだよな。絶望を材料に未来を作る変態生物。


首里城再建の誓い
火災の翌朝、瓦礫の前に立った県民の口から出たのは「もう一度建てよう」の一言だった。それは命令でも、お願いでもなく『魂の約束』だった。そしてその声が、令和の再建へと繋がっていく。城は燃えても『誇り』は燃えなかった。あの炎が照らしたのは、過去じゃなくて未来だったんだろう。
令和に蘇る首里城正殿
[2026年秋]ついに完成へ
首里城正殿の復元工事は2022年秋に始まり、建物の形はすでに完成。現在は塗装/彩色/内部装飾の仕上げ作業が進行中。2026年秋には、正殿が再び那覇の空に顔を出す予定だ。再建じゃない、タイムトラベルだよこれ。令和に王国を呼び戻すとか、もう歴史バグってる。

『向拝奥』の彫刻
フランス海軍が撮影した古写真の発見により、正殿中央の装飾彫刻が当時の姿で復元される事に。シーサー像は約1.3倍に拡大され、顔の向きもやや上向きに変更。さらに、牡丹と唐草の彫刻も『ひとつ』から『みっつ』へと進化。まさか再建の参考資料がフランスから届くとはな。世界規模のDIYじゃねぇか。

久志間切弁柄(くしまぎりべんがら)で蘇る王国の赤
令和の復元では、かつて琉球王国時代に使われていた天然顔料『久志間切弁柄』を使用。この顔料は沖縄本島北部の川で発生する鉄バクテリアから作られ、従来よりも深みのある『本物の王国レッド』を再現している。塗料までロマン。科学と伝統が手を組むと、もはや『文化の錬金術』だな。

最後に
木材を削る音、瓦を焼く炎、漆を塗る手、彩色を重ねる筆。令和の首里城は『機械で復元』された訳ではない。何百人もの職人が、自分の誇りと技術を賭けて再び城を立ち上げた。その一つひとつが、まるで『生きた工芸品』のように積み重なっている。
AIが世界を変える時代に、ここは『人の手』が世界を動かしてる。これが本当のリビルドだよ。
職人たちは今日も屋根の上で汗を流し、筆を握り、木槌を打つ。彼らにとって『仕事』ではなく『祈り』なのかもしれない。
2026年秋、真紅の城が再び那覇の空に姿を現すその日、きっと誰もが思うだろう「帰ってきた」と。

他にも色んな記事を書いてます。沖縄移住で新しい文化に触れたり、沖縄の離島をチャリで回ったり、県外に出て絶景を巡ったり、海外でパスポート投げつけられたり。お時間があれば、ぜひ他の記事も覗いてみて下さい。
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最後まで読んでくれて本当にありがとう。あなたの貴重な時間を、俺のクソどうでもいい体験談に溶かしてしまって申し訳ない…とか言いながら、めちゃくちゃ嬉しいからこれからも遠慮なく時間を奪わせて下さい。


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