今回の舞台は、日本の雅が詰まりすぎて逆にしんどくなる場所『京都府』です。修学旅行生が一斉に「わびさびぃぃぃい!!!!」って叫びながら駆け抜ける、あの風情の暴力地帯です。
京都の名産? そりゃもう抹茶と八つ橋と混雑と拝観料ですよ。あと「ここ歩いてたらおこしやすって言われるんちゃん?」ってちょっとビビりながら歩く通りが平然と住宅街に続いてたりする。マップ見てても迷子になる不思議。ちなみに京都って、街自体は本当に好きなんです。風景も歴史も文化も。ただひとつだけ受け入れられないのが人混みの圧。あれはもう人じゃない。人間の形した移動式障害物。
そして今回のターゲットは、そんな人間ウォールと紅葉の洪水が融合した地『嵐山公園』
『癒しスポット』って言うなよ。癒しとは、そこに人がいない事だろうが。行ってみたら、完全に平安貴族のオフ会跡地で開催される現代人の我慢大会でした。紅葉を見に行ったはずが、紅葉にたどり着くまでに心が先に散った話。人混みと気配りとスマホ片手に自撮りしてるカップルの合間を縫って、それでも嵐山に行きたい全ての人にこの経験、差し上げます。
というわけで今回のテーマは、平安貴族が調子乗ってた観光地『嵐山公園』です。どうか最後まで読んで、同じ失敗を繰り返さないでほしい。もしくは同じ地獄に落ちる仲間になってほしい。


嵐山公園とは?
京都市の西側、観光の魔窟と嵯峨野エリアに位置するのがこの嵐山公園(あらしやまこうえん)。場所でいうと渡月橋のド真ん前から嵐山の山裾にかけて広がる緑と川と観光客の煩悩が交差するパワースポットです。
特徴はざっくりこうです。
・春は桜、秋は紅葉、夏は川、冬はコタツで寝てたいやつが来る場所。
・野外ステージかってくらい広い敷地に、地元民と修学旅行生と外国人観光客と和菓子が一斉に並んでる。
・川沿いを歩けば和んで、山に登れば筋肉痛、猿山まで行けば猿に見下される。
名産物は、抹茶。あと餡子。あと抹茶。いや、餡子。どっちも。むしろ融合。中でも私が見たのは、渡月橋のたもとにある抹茶ソフトと出来立て団子。甘さ控えめのあんこが「すいません、私主張強くないんで」みたいな顔して和菓子界の端っこでスタンバってるのが京都流の奥ゆかしさ。最高に性格悪くて最高。
ちなみに観光スポットとしては以下の3つを推したい。
渡月橋(とげつきょう)
嵐山観光の顔面担当。渡った瞬間にカップル率と自撮り棒率が爆増する。夕方は特に映えるが、その時間帯は全員が同じ考えなので完全に地獄絵図。
竹林の小径(ちくりんのこみち)
誰もがインスタで見たことある『THE 和の世界』だけど、誰もが撮った場所なので誰もが写り込む地獄でもある。早朝じゃなきゃ精神も写真もぶち壊れる。
嵐山モンキーパークいわたやま
『猿と一緒に京都の景色を見下ろせるスポット』つまり、猿と一緒に人類の渋滞を見下す地獄絵図。猿は涼しい顔してるけど、こっちは息切れ。負けてる。
ちなみに全体的に言えるのは『嵐山は自然が美しい』ではなく『人混みが自然』という事。京都らしい情緒と団子と行列が三位一体になってるのがこの公園です。でもやっぱり、あの和菓子の誘惑には勝てない。甘味食ってる時だけ人生が肯定されるそんな気分にさせてくれる場所です。
嵐山公園の歴史
嵐山公園、実はとんでもない歴史の詰め合わせセットでして。もともと『自然の景勝地』としてじゃなく『平安貴族のレジャーランド』として誕生しました。「えっ!自然が残る古都のオアシスって感じじゃないんですか?」違います。ここは平安時代のインスタ映え会場です。貴族どもが舟遊びして、詩を詠んで、団子食ってた場所です。
平安貴族のテーマパーク
平安時代、嵐山は桜と紅葉を愛でながら舟に乗って詩を詠むだけのやばい遊園地でした。「風流を解さぬ者に人権なし」みたいな時代背景の中、貴族たちは着物着て小舟に揺られて「月がどうこう」とか「紅葉がしゅごい」とか呟いて優雅ぶってました。
いやお前ら、それ今で言う花見しながらSNSに自撮り上げる人種と一緒やぞ?舟の上で和歌を詠んでる貴族=カフェで抹茶ラテ撮ってる女子。構図も角度も完璧にしないと気が済まない、そういうとこやぞ。
嵯峨天皇乗りすぎ説
この流行の火付け役となったのが、嵯峨天皇。このお方、近くに『嵯峨院(のちの大覚寺)』を建てて、この辺りで頻繁に舟遊びをしておられました。つまり、皇族自らが「嵐山ぁ〜マジ最高〜!」と発信したせいで貴族どもが一斉に真似しだしたのです。マジで余計なことしてくれました。そのおかげで今、秋になると紅葉に人が群がって渡月橋が詰まる詰まる。
紅葉の美しさがどうこうじゃない。紅葉の中で自分がどう映るかを競い出すインスタ女子たちがスマホ片手に同じ角度でシャッター切ってます。あれ、千年前の貴族の血が受け継がれてるんじゃないですか?遺伝って怖い。
現代の平安貴族たちへ
「和傘と紅葉を合わせて撮りたい♡」
「渡月橋で彼とツーショ撮って投稿したい♡」
わかる、わかるけどお前ら全員千年前の貴族と同じ穴のむじなだからな!!!
インスタ映えに命かけて、周囲が見えてない。平安貴族も「桜すごくね?」って舟から身を乗り出してた。多分落ちた奴もいた。現代人も「映えすごくね?」って人の波に突っ込んでく。全然進化してない。
そんなこんなで、嵐山の歴史は風流と調子乗りの間を千年くらい揺れ続けてる訳です。自然の美しさに触れる場所で、人間の業が全開になってしまう、それが嵐山。まるで、和菓子のように甘くて重たい、歴史と煩悩の詰め合わせ。


お勧め観光スポット紹介
竹林の小怪
はい出ました、嵐山の象徴『竹林の小怪(こかい)』ここ風情がバグってるんですよ。まるでジブリかと思わせる竹のトンネル。風が吹けばカランコロン音が鳴って「わぁ〜和の心ぉ〜」って思った次の瞬間、後ろから来るのがTikTok撮影中の観光客。
ちょっと待て。なぜ道のど真ん中で三脚立てて自撮りしてんだお前は。こっちは風情に浸ってたんだよ!お前のターンじゃねぇ!
歴史
この竹林、実は明治時代から整備されてて、当初は観賞用じゃなく風除けや防火の役割も担ってたらしいです。だけど今では完全に『映えスポット』に成り下がり、本来の役割よりインスタに何回載ったかの方が重要という逆転現象。もう、防火より自意識が燃え上がってる。
特徴
高さ10メートル近い孟宗竹がズラリ。写真で見ると「まるで静寂の世界…」とか思うでしょ?実際は静寂の中でシャッター音と中国語と韓国語と英語と謎の叫び声が入り乱れてる。しかも朝5時に行ったのにすでに外国人観光客が大量にスタンバってる。アイツら早起きしすぎじゃない?俺まだ脳ミソ寝てたぞ?そして昼になると人が溢れ、竹どこ?人しか見えないんだけど?現象が発生。そう、ここはもはや竹林じゃない。人林です。
場所とアクセス
嵯峨野エリアにあるこの竹林、渡月橋から徒歩約10分。いわゆる嵯峨野竹林の道ってやつで、野宮神社の近くからスタートできます。道幅は狭く、撮影したくなる気持ちは分かる。でも分かれ。そこは戦場なんだよ。


川を渡る小舟
さて、嵐山の癒し度ランキング不動の上位、それが『保津川に浮かぶ小舟たち』でございます。川の上をスイ〜ッと優雅に進む舟。漕ぐのはムキムキの船頭。乗ってるのは着物着たリア充カップル。そんな光景を川の端っこでおにぎり食べながら見守ってたのが僕です。
なぜ乗らなかったのか
「体験した人だけが語れる価値がある」とはよく言いますが、現実には財布の軽さが体験の幅を制限します。だってさ、乗船料1,500円-2,000円とかするのよ。で、対岸渡ったらもう一回戻ってこなきゃいけないじゃん。つまり往復で3,000円。誰が川で3,000円使うねん!って自分に突っ込んでやめました。
それでもお勧めする理由
いや、ほんとに綺麗なんだよ?紅葉が真っ赤に染まる時期に、小舟がゆっくり進むあの風景。ジブリがスケッチブック持って全力で走ってくるレベルの風情。あとね、船から川べりの人間を見下ろせるのが快感っぽい。すれ違う時に「あ、こいつ乗れてない側の人間やな」っていう謎のマウントを感じました。


その他の観光スポット紹介
「いや、行ってません。行きたかったよ?でも無理でした人が多すぎて」
京都ってのはね、人類全員が一斉に同じタイミングで来る仕様でもあるんですか?もうこれ、観光じゃなくて陣取り合戦です。嵐山エリアと書かれた島を巡って、観光客がワラワラと押し寄せる戦国時代。
本当は紹介したかった所
天龍寺
禅と庭園の究極融合とも言われる有名スポット。でも門前で詰んだ。人が多すぎて。
嵐山モンキーパーク
山を登ればお猿さんに会えるそうですが、人間にすら会いたくなかったので断念。
嵯峨野トロッコ列車
乗ったら絶景。でも切符売り場の時点で絶望。切符じゃなくて希望が欲しい。
誠に申し訳ありませんでした(土下座)
「もっと取材してから記事書けや」とか言わないで下さい。人混みに敗北した雑魚人間の現実がここにあります。
逆ギレしていいですか?
なんで観光地ってこんなにインスタ映え圧強いの?みんな一眼レフ構えて、反射神経ゲーみたいにシャッター切ってるけど、こちとらスマホ片手に逃げ回ってんだぞ!まるで和のテーマパーク撮影会だよ!しかも入場料は心だよ削れてくの精神が!
アクセス情報
営業時間
区分 | 時間 |
---|---|
公園 | 24時間(年中無休) |
入場料
区分 | 料金 |
---|---|
公園 | 無料 |
交通手段
区分 | ルート例 | 所要時間(目安) | 料金(目安) |
---|---|---|---|
電車① | JR京都駅→(JR嵯峨野線)→嵯峨嵐山駅→ 徒歩 | 約15分+徒歩10分 | 約¥240 |
電車② | 阪急/京都河原町駅→(阪急本線)→桂→(阪急嵐山線)→嵐山駅→徒歩 | 約20分+徒歩5分 | 約¥250 |
電車③ | 嵐電/四条大宮駅→(京福電鉄)→嵐山駅→徒歩 | 約25分+徒歩5分 | 約¥260 |
バス | 京都駅前→(市バス28系統など)→嵐山/天龍寺周辺 | 約45-60分 | 約¥300 |
タクシー | 京都駅→嵐山公園 | 約25-40分 | 約¥3,500-¥5,500 |
車 | 京都駅周辺→嵐山公園(一般道) | 約25-40分 | ¥0(高速不使用の目安) |
実際に行ってみた
見てくださいよこの紅葉。もう世界がインスタのフィルターかけたかのような美しさ。川と山と空と色彩のバランス、完璧。この自然の設計者、Adobeか?でもな、こっち見て?その絶景の中にぶっ刺さるのが、とんでもない人間密度。
感動と絶望で心が0になる
紅葉シーズンの嵐山って、感動と絶望が同時に襲ってくるRPGのラスボス戦かなんかですか?赤く染まる山々に感動してたら、次の瞬間、隣で知らないカップルがプロポーズしてんの見せつけられてHP削られる。まるで「美しい風景を楽しめるのはリア充だけ」っていう運営からの圧。
橋の上で若者とカップルが暴れてた
渡月橋。これまた綺麗なんですよ。川の向こうに広がる紅葉、そして橋の下には光が反射してキラキラする水面。でもそこに、テンションMAXな若者軍団と「ちょっと!私がインスタに映える角度!」とか言ってるカップルが詰まってるんですよ。もはや橋じゃない。愛とSNSの戦場です。お前らちょっと黙って紅葉見ろや頼むから。
午前と午後どっちが良いか問題
これはマジな話なんですけど、川面が一番綺麗に見えるのは午後で、太陽の角度的に光が差し込んで水と紅葉のバランスが最強になる時間帯です。でも午後になると人がもっと増えます。つまり、美しさを取るか、ストレスフリーを取るかの二択。まるで「このアイス、めっちゃ美味いけど食べると腹壊すぞ」って言われてるような選択肢。
紅葉の嵐山公園は地獄の中に天国が落ちてるタイプの観光地。感動もある。でもその感動に辿り着くには、人間という名の試練を乗り越えないといけない。覚悟して行けよ。スマホの充電と心のHPを満タンにしてな。

最後に
はい。というわけでね、紅葉シーズンの嵐山公園は、美しさの裏に人混みという魔物を飼ってる地獄の二重構造でした。
「え〜紅葉めっちゃ綺麗だった〜♡」ってインスタにあげてるそこのお前!画面の半分に知らんオッサンの後頭部写ってたけど大丈夫か!?あとその投稿の裏で彼氏に「もういいってば!」ってキレてなかったか!?ああ、平安貴族の霊も苦笑いしてるわ!
というか平安貴族よ、お前ら何でこんな人が多い場所に憩いを求めたんだ!当時の貴族はな、のんびり川見て雅な歌でも詠んでたんだろ?今の我々はな、人の波をかき分けてようやく橋を渡るんだよ!どこが雅やねん!これもうただの人間すり潰し機や!!
そして、マナーの悪い外国人観光客!竹林の真ん中で脚立立ててTikTok撮ってんじゃねぇ!あの道、幅がギリなんだよ!あんたの自撮り棒のせいで俺の人生の一分が失われたわ!この一分で俺は団子3本いけたからな!重罪だぞ!!
紅葉の嵐山は、美しい。でも人が多すぎて心が死ぬ。行くなら「体力」と「諦め」と「団子代」は必須。それがない奴は大人しく家で団子食ってろ。


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